2025年10月12日(日)山階由紀美社中合奏会 〜佐々木愛美先生をお迎えして〜

2025年10月12日(日)山階由紀美社中合奏会 〜佐々木愛美先生をお迎えして〜

連日真夏のように高かった気温も、この日、少し穏やかに過ごせる気温に下がった気がいたします。少し秋の気配を感じる一日となりました。

今回も淀の会本部より家元補佐・大師範佐々木愛美先生にお越しいただきました。

愛美先生をお迎えして3回目となる社中での合奏会。

これまで「合奏練習会」と名付けておりましたが、「練習」を取って、本番一回切りの演奏で行いました。やり直しがきかない、程よい緊張感を持って臨んで欲しいと思い切りました。

これまでの練習の成果を発揮し、普段のお稽古では味わえない合奏の楽しさを感じで欲しいとの思いです。

***課題曲***

  • 風薫る(野村祐子作曲)
  • 童謡三題・第一編(三絃手付/佐々木洋子 十七絃手付/佐々木愛美)
  • 野花とともに(森岡章作曲)
  • 三段の調(久本玄智作曲)
  • 春、夏、秋と、祭りと…(佐々木洋子作詞 佐々木愛美作曲)

風薫る

この曲は第一箏に独箏パートがございます。

本来でしたら今年初伝免状を習得された森島優菜さんの披露として独奏を考えており、しっかりとお稽古を重ね、準備を整えて参りましたが、事情により当日の出席が叶いませんでした。そこで次に初伝免状習得に向け頑張っていただきたいと、有田魁さんに独奏をお願いいたしました。

また、第二箏の中井彩友さんはこの1月に初伝免状を頂かれます。

これまで初伝免状を頂かれた方、そして習得に向け頑張っているメンバー中心に演奏いたしました。

童謡三題・第一編

この曲は皆様よくご存じの童謡をメドレーに編曲されました。

三絃手付は淀の会家元・佐々木洋子先生が、十七絃手付は愛美先生です。

箏3名、三絃3名の少人数で編成しそれぞれの力をもって演奏に臨んでもらいたいと思いました。十七絃は難しいのですが、今回も前回の合奏練習会に引き続き、小森久美子さんに挑戦していただきました。

三絃、十七絃奏者が、社中内でたくさん増えることを願い選曲致しました。

野花とともに

箏2パートと尺八による演奏で、普段のお稽古では箏のみでの練習になりますが、この日は愛美先生に尺八を吹奏していただきました。

三段の調

本来この曲は本手と替手の箏パートと尺八での演奏になりますが、三絃手付を佐々木洋子先生が、十七絃手付を愛美先生がされ、賑やかな曲になりました。

この曲は小学校入学前からお稽古に通ってくれている岸心乃(この)()さん、()彩音(やね)さん姉妹に同じ曲で演奏してもらいたくて選曲致しました。

心乃(この)()さんには左手を使う難しいパートの替手に、そして三絃のことが大好きだという()彩音(やね)さんには、三絃をお一人で挑戦してもらいました。

春、夏、秋と、祭りと・・・

お家元先生が作詞、愛美先生が作曲されたこの曲は、今や全国各地で演奏されています。

今年の淀の会定期演奏会でも総勢57名の大合奏で華やかに演奏されました。生徒の中にも定期演奏会に聞きに来てくれ、その音色はしっかりと記憶に残っていますと話してくれています。

愛美先生の曲を、山階社中のメンバーだけで演奏してみたいと選んだ初めての曲。箏2パート、三絃2パート、尺八も2パート、十七絃に打ち物とたくさんのパートがあります。

まだまだスピード感も、パートも不足していますが、この日の演奏を第一歩として、少しずつ完成形に近づけるように、社中一同お稽古に励みたいと思います。


今回愛美先生には練習会と違って一曲ずつのご指導は頂きませんでしたが、それでも一曲ごとに感想を頂戴し、その中にはお褒めのお言葉や、演奏や姿勢に関してのご注意などもりだくさんにお話しいただきまして、生徒にとりまして大変勉強になりました。その次の曲から意識した生徒もたくさんおりました。

愛美先生には「野花とともに」「三段の調」「春、夏、秋と、祭りと…」の3曲尺八を吹奏していただきました。

また、淀の会本部から毛氈と楽器類をお借りしました。

尺八を聴く、毛氈の上で演奏する、打楽器と合わせる、普段のお稽古ではなかなかできない体験です。

ご用事等で全員の参加は叶わず社中の半数ほどの人数になりましたが、参加された皆さんはとても緊張したけれど、合奏は楽しかったと喜んでくれました。

演奏以外では舞台の配置や箏の調絃、また接待など、以前よりずっとスムーズに動いてくれ、社中の成長を感じた一日でもありました。これから伸びしろもたくさんあると思います。

一日頑張ってくれた皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、お家元先生には激励のお言葉も頂戴し、また大切な毛氈や打楽器をお借りしましたこと、お礼申し上げます。本部の皆様には合奏会が盛会になりますようにとお声をかけて頂きましてとても嬉しかったです。無事終えられましたこと、改めてご報告させて頂きます。

そして愛美先生にはお心遣いと、多大なるお力添えを頂戴致しまして誠にありがとうございました。

これからも山階社中の成長を見て頂きたく存じます。次回は鑑賞曲や披露曲も増やしてパワーアップして臨みたいと思います。ありがとうございました。

師範 山階由紀美

タイトルとURLをコピーしました